はじめに
よもやこんな事が原因だとは、夢にも思いませんでした。
いつもの様にDaVinci Resolveを使って編集後の動画を書き出すと、普段ならば15分程で済む書き出しが、いきなり1時間以上も掛かる様になってしまいました。
当然ながら、尺の長さも、編集内容も、更には解像度やフレーレート等も殆ど同じです。
更にです。
何度か書き出しを行なっていると、以下の様な奇妙な画像がビュアーに表示されるではありませんか。
そしてついには、以下の様なエラーまで表示されて書き出しが止まってしまいます。
どうみてもGPUに異常がありそうなのですが、色々調べた結果、何とは原因は別の所にありました。
という訳で、お急ぎの方は一気に結論まで進んで頂いて結構ですが、もしお暇でしたらその原因特定までの苦難の過程をお楽しみ頂ければと思います。
トラブルシューティング
再起動
当然ながら真っ先に行なうのは再起動でしょう。
これも何度やったか分からないほど試してみましたが、全く変わりません。
ただし一度だけ、書き出しが速くなったときがありました。
そのときはGPUの動作が不安定なためだと思い込んでいたので、さほど気にも留めなかったのですが、今にしてみたらそのときにもっと突っ込んで調べれば良かったと、思わないではいられません。
グラフィックボード
現象からすればグラフィックボードが故障した可能性が高いものの、遅いながらも取り敢えず書き出しができるとなると、完全には壊れてはいないようです。
またその後当初出ていたエラー表示も出なくなったという事は、単純な接触不良の可能性もゼロではありません。
そんな訳で、PCからグラフィックボードを抜き出してコネクターの挿し直しもやってみたのですが、何も変化はありません。
ちなみに数か月前に放熱グリスの塗り替えを行なっているので、それ以上分解する気は起きませんでした。
DaVinci Resolveの設定
こうなると、次に疑うのはDaVinci Resolveの設定です。
環境設定の中にあるGPUコンフィギュレーションの設定をあれやこれやと変えてみても、何の変化もありません。
ちなみに上のパネルの表示によれば、しっかりGPUは認識されています。
ドライバー
ここまで来ると残るはグラフィックボードを交換するしかないかと思ってAmazonを調べ始めていたのですが、そもそもアナログ回路じゃあるまいし全てデジタル処理しかしていないGPUボードにおいて、処理速度が数倍遅くなるなんてあり得ないでしょう。
それでハタと思い付きました。
もしかしたらGPUのドライバーが関係しているのではないかと。
早速調べてみると、使用しているGPU用につい最近リリースされた最新ドライバーがあるではありませんか、
恐らくこれに間違いないだろうと思い、期待に胸を膨らませてダウンロードしてみましたが、残念ながら全く変わりません。
これで万事休すと思ったものの、どうしても合点がいきません。
GPUボードでこんな現象が起きる訳がない。
だが遅い。
昔の動画
数日間こんな堂々巡りをして、ようやくもう一つの可能性に思い当たりました。
以前編集した動画を書き出したら、どうなるのだろう?
早速書き出してみた所、サクサク書き出すではありませんか。
何故と思って違いを探ったのですが、編集内容は殆ど同じでどうしても違いが見つかりません。
ただし書き出しが遅いプロジェクトにおいてカラーノードの適用を全て解除すると、サクサク書き出します。
どうもノード処理のどれかに原因がある様で、一つずつ潰していった結果ようやく分かりました。
原因はエフェクトの一つであるブラー(レンズ)です。
以前は動画のブラー処理に、ブラー(ガウス)を使っていたのですが、つい最近少しお洒落なブラー(レンズ)に変更したのです。
このブラー(レンズ)の処理が、恐ろしく負荷が大きく書き出し速度が数倍遅くなっていたのです。
いやはやこれに気付くのがもう1日遅れたら、新たにグラフィックボードを発注していた所です。
なお奇妙な画像が表示されたり、GPUエラーが表示されたのは、このエフェクトを多数同じクリップに使ったため、GPUの処理が追い付かなくなったためでしょう。
こんな事なら、どこかにブラー(レンズ)は負荷大と注意書きしておいてほしいものです。
結論
という訳で結論です。
DaVinci Resolveに限らず動画編集ソフトの書き出しが突然遅くなったら、真っ先に編集内容に負荷の大きな効果を入れていないかチェックした方が良い。
という事です。
少しはお役に立ちましたでしょうか?
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